オレゴンから、Hi♪

アメリカ西海岸のオレゴン州から、還暦過ぎのあれこれをつぶやきます

大自然の中にある「生と死」

河川の氾濫による甚大な被害のためイエローストーン国立公園が閉鎖、という突然の出来事(13日の月曜日)から3日間、あまりのことに愕然としながら、ずーっとそのニュースばかりを追いかけて4日目の今朝、やっと気持ちが落ち着いてきました

youtu.be

FBのイエローストーン愛好者のグループページで、何人かが

「今回の川の氾濫で被害が出ているのは、人間が人工的に建設したものだけ

公園そのものや動物たちにとっては、たいした問題ではないから大丈夫」

という投稿をしていて、そうか、それもそうだな

と思い直して、気持ちが落ち着いてきました

 

ただ、私の心にひっかかるのは、生まれたばかりだったり、まだ体力が十分でない若い動物たち、バイソンやエルク、鹿などの子どもたちのこと

そして、今回氾濫したイエローストーンリバーのすぐそばの地面にトンネルを掘って、巣を作って、子育てしているジリスやアメリカアナグマたち

ユインタ・ジリス (Uinta Ground Squirrel)

アメリカアナグマ (Badger) のお母さんと赤ちゃん

みんな、ちゃんと逃げられたかな・・・

 

実際、今回の旅で、バイソンの子ども(毛が赤茶色なので、Red Dogと呼ばれています)が、川を渡る母親についてゆけず、流されてしまい、母親のもとへ戻ろうと、流れに逆らって必死でもがきにもがいたあげく、ついに水面下に沈んでしまい、それっきり姿を現さなかった・・・というショッキングな場面を目撃してしまったんです

(ものすごく遠くて、雨も降っていたので、車の中から双眼鏡でみるだけで、写真は撮りませんでした)

川を渡るバイソンの母親と子ども(この子は無事、渡り切りました)

ものすごく悲しかった・・・

私は泣けなかったけど、あの辛い光景を見ていて泣いてしまった人、きっといたと思います

 

公園内を自由に移動するバイソンが、大きな群れで川を渡るのはよく見る光景です

群れが川を渡る時は、たとえ生まれたばかりの赤ちゃんであっても、母親について川を渡らなければなりません

雪解け水が流れ込んで急流となっている川を渡るのは、まだ子どものバイソンにとって、命懸けなんだ・・・ということを痛いほど実感させられました

 

大自然の中で生きる動物たちにとって「生と死」の分かれ目は、日常で、それも突然やってくる・・・

大自然の中で生きるということは、息を呑むような美しさと恵みに囲まれることであり、同時に、情け容赦ない残酷さに直面することでもある

頭で理解していたことが、実際、その場に居合わせて、自分の目でその光景を見たことによって、私の身体の中にしっかりと刻印された気がします

ラマー・ヴァレー (Lamar Valley) に咲いていた花