「銃」と「お肉を食べること」
昨日のブログに頂いたコメントを読んで、これまでも折々考えてきた「銃」と「お肉を食べる」ことについて、また考えてみました
私はオレゴンの中でも「都会」に住んでいますが、昨日のブログに載せた猟銃や拳銃の広告は、普通に入ってきます
もちろん全部、おもちゃじゃなくて、弾を込めて撃つホンモノです
私の友人たちでハンティングをする人たちは、育った地域で、子供の頃から親と一緒にハンティングをしてきたようです
小鹿姉妹のパパは、オレゴン南部の出身で、ママはここからほど近いけどもっと自然いっぱいのところ
小鹿3号のママは、ハワイはオアフ島の西部出身で、野生のブタをハンティングしていたそうで、家族は今もやってます
ハワイの家族は立派なボートも持っていて、まぐろやカツオなどを釣りに行き、お刺身や燻製にして食べています(燻製すっごく美味しいです!)
小鹿姉妹の両親は、びんちょう鮪の季節にはボートをチャーターして釣りに行くし、貝を掘りに行ったりもします
彼らがそうする理由は、生活のためというより、狩りや釣りを一石二鳥のアクティビティとして楽しんでいるようです
もちろんとれた獲物は新鮮だし、劣悪な環境で育てられた肉を買うよりもはるかにエシカル(倫理的 ethical)だという自覚もあるようです
「自然の恵みを頂く」という観点から見れば、ハンティングも、魚釣りやキノコ狩り、木の実やベリーを摘んで食べるのと基本的には、同じことなのだと思います
血が出るかでないかの違いはありますが
映画「ラスト・オブ・モヒカン」で、ネイティブアメリカンは、エルクを一発で仕留めた後、エルクのそばにひざまずいてエルクのためにお祈りを捧げていました
お肉を食べて私たちが罪悪感を感じてしまうのは、牛や豚、ニワトリたちが人間の食用になるためだけに、劣悪な環境で育てられているから、というのが大きな要因だと思います
玉子だって、ひどいですよね、どんな環境で産まされているのかを知ると・・・
なので、私は、まっとうなハンターが狩猟をして、エルクや鹿を食べることには反対しません(残念ですが、まっとうじゃないハンターもいます)
それに、人間は住んでいる環境で得ることができる食べ物を食べて生きている訳で
エスキモーは伝統的にアザラシを狩って、その生肉を皆で分けて食べてきたんだし
ネイティブアメリカンも、バイソンがいる草原ならバイソンを狩って、肉はもちろん角から毛皮、糞に至るまで無駄なく使っています
オレゴンのコロンビア川近くに住むネイティブアメリカンは、サーモンです
そう考えると「肉食はいけない」とひと言で言いきれるものではないとわかります
考え直す必要があるのは、利益を上げるために劣悪な環境で食肉動物を育てることであり、それを何も考えずに受け取る私たち消費者の意識、ではないかと思います
そして、当たり前のように折々入ってくる猟銃や拳銃の広告に、私が思わず引いてしまうのは、銃による乱射事件があまりにも頻繁に起こるから、だと思います
銃が、ハンティングだけに使われるなら、ここまでの恐怖は感じないはず
ただし、銃の所持については、アメリカ建国以来のいろいろな事情があり、その事情をほとんど知らない私には、今ここで語ることはできないです
ずいぶん前に、イギリス人で短編のドキュメンタリー映画を作る人と知り合いました
彼はベジタリアン(ビーガンだったかも)で、ある時「なぜ日本人はクジラを食べるのか」とメールで私に聴いてきて、困ったことがあります
私の理解の範囲で答えて、その時に、以前初詣に行った川崎大師で聴いた「野菜を食べることも命を頂くことです」という話をしたら、ちょっと考えたらしく「今度お茶を飲もう」ということになりましたが、それっきりになってます
そうです、ビーガンだって、野菜の命を頂いているんです
腐った野菜は食べないでしょ
私は、本気でベジタリアンになろうとしたことはないですが、試したことはあったはず
続かなかったです
ステーキ大好きだし、サラミはお酒のおつまみの必需品ですから
でもね、こっちのベジタリアンとかビーガンのレシピみてると、無理してるんだなーと気の毒になることしばしば
だって、ベジタリアンのミートボールとかベジバーガーとか
「何、結局肉が恋しいんじゃん!」ってのが多いんです
それに引き換え、日本には精進料理という有難いものがありますからね
いざとなったら、精進料理!
なんだか妙なオチになりました
追記
アメリカで、日本よりもハンティングが普及しているのは、やっぱり国土が広くて海がないところが格段に多くて、陸上に獲物になる動物がたくさんいたせいではないかと想像します
日本は海に囲まれた細長い島ですから、漁港が多いですよね
昔は、山林や森でマタギが狩りをしていたと思いますが、日本の山林は急峻ですから狩猟は、釣りより大変だったのではないかな、というのが私の想像です